皆さんのご家庭にある家具は、地震が来た時に転倒しないように固定できていますか?
災害対策の一つとして有効とされるのが、家具の転倒対策。
近年の地震による負傷者の30~50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因とされており、家具が転倒すると逃げ道が塞がれたり、火災などの二次災害を引き起こす危険があります。
(東京都防災ホームページ:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1005737.html)
家具の天面と天井の間に取り付ける「耐震ポール」や、家具の下に挟み込む「家具転倒防止マット」を使えば、地震による家具転倒のリスクを減らすことができるんです。
さらに、冷蔵庫専用の耐震ポールもあります。これを使えば、従来品ではできなかった冷蔵庫の地震対策が行えます。
今回は耐震ポールの正しい使い方や選び方を、Q&A形式でお伝えしていきます。
耐震ポールは今すぐできる地震対策のひとつです。正しく安全に使って、家具や冷蔵庫の転倒を防ぎましょう!
※ 耐震ポールについて、「突ぱり耐震ポール」「家具転倒防止突っ張り棒」「家具転倒防止ポール」など、様々な商品名があります。本記事では呼びやすい「耐震ポール」という言葉で説明させていただきます!
Q. 耐震ポールって︖
家具用の耐震ポールは、家具と天井の間につっぱることで、地震のときなど家具が揺れて転倒するのを防ぎます。
冷蔵庫専用の耐震ポールを使えば、天井と床をダブルで固定して冷蔵庫特有の横滑りを防止し、冷蔵庫の地震対策を行えます。
また、テレビの後ろに取り付けるような、つっぱらずに使う耐震ポールもあります。
Q. どの商品を選んだらいいの︖
①タンスや棚など家具の転倒を防ぎたい場合
《家具転倒防止突っ張り棒》
家具と天井の間に突っ張るタイプの商品です。通常タイプと、デザイン性をプラスしたインテリアタイプの2種類あるので、お好きな方をお選びください。 初期から何度も改良を重ね、安定の売上実績を誇る不動の通常タイプ。
ねじくぎ不要で簡単に取り付けができ、地震による家具の転倒を安全に防いでくれます。
インテリアタイプは、暮らしに馴染むシンプルなデザインを追求しました。(2020年度グッドデザイン賞 受賞)
デザイン性だけでなく、より安定して取り付けられるようにキャップのパッドをホッチキスで天井に固定できます。 お部屋の雰囲気に合わせて、ホワイトとマットブラックの2カラーからお選びいただけます。
《家具転倒防止マット》 家具の下に挟み込むだけで、地震などによる転倒リスクを軽減できます。
※ 震度6弱にて耐震性能検証済み。(東日本大震災の波形を使用)
家具転倒防止突っ張り棒と併用すると、家具の転倒防止効果が上がります。
家具のすべり出しやズレにくさに効果が高い粘着ゲルを採用しました( 特許出願済み)。
引き出しや扉の開閉でも家具からズレにくく、日常使用でも気になりません。
粘着ゲルは水洗いして乾かせば粘着力が戻ります 。
家具転倒防止マット(3枚入り)はこちら
家具転倒防止マット(4枚入り)はこちら
②冷蔵庫の転倒を防ぎたい場合
《冷蔵庫転倒防止つっぱり棒》
つっぱり棒ならではの固定力で、冷蔵庫の転倒を防止する冷蔵庫専用の耐震ポールです(特許出願済み)。
付属のストッパーにより脚が動いて転倒するリスクも軽減!
天井と床をダブルで固定するので、冷蔵庫特有の横滑りを防ぎます。設置面にはパッドがついているので、天井や冷蔵庫を傷つけずに設置ができます。
後付けが可能なので、お使いの冷蔵庫にそのまま取り付けることが可能です。
※ 耐圧400kg(1セットの値。公的機関での圧縮試験結果による)
【ご注意】
冷蔵庫本体を簡易固定することで、冷蔵庫の移動や転倒を防止しますが、各室のドアや引き出しの開閉、内容物の飛び出しを防ぐものではありません。
冷蔵室の扉や収納庫の飛び出しを防ぐためには、別途開閉防止用の器具を併用することを推奨しています。使用上の注意事項をよくお読みの上ご使用ください。
冷蔵庫専用 耐震ポール 幅60cm用 はこちら
冷蔵庫専用 耐震ポール 幅65cm用 はこちら
③液晶テレビの前倒れを防ぎたい場合
《液晶テレビ耐震ポール》
2本セットの耐震棒でテレビの前倒れを防止できる商品です。伸縮ポールでテレビ台に固定するタイプで、もちろんテレビ台を傷つけずに取り付けできます。
テレビ裏に設置するため、正面から見ても目立たないようになっています。
※ 公的機関による引張試験済み
Q. どのサイズを選んだらいいの︖
①家具用耐震ポールのサイズの選び方
家具転倒防止の耐震ポールにはサイズが数種類あります。設置できる寸法を確認して、正しいサイズを選びましょう。
まずは家具と天井の距離を測り、その寸法が取り付け可能範囲内に収まるものを選んでください。
例)家具と天井の距離が68cmの時
・REQ-50(取り付け可能範囲:50~75cm)
・REQ-65(取り付け可能範囲:65~100cm)
通常タイプでしたら上記商品の2つがご使用いただけますが、長いサイズのものを伸ばさずに短い状態でご使用いただく方(最小取り付けサイズが大きい方)が、より安定します。
上記の例の場合は「REQ-65」がおすすめです。
②冷蔵庫用耐震ポールのサイズの選び方
冷蔵庫専用の耐震ポールには、サイズが2種類あります。
対応している冷蔵庫の幅は60cmと65cmとなっていますので、必ず冷蔵庫の幅にあったサイズを選んでください。
それ以外の幅ではご使用いただけませんのでご注意ください。
冷蔵庫と天井の隙間にポールを設置しますが、ここの取り付け高さは2種類とも同じで50cm~75cmまで対応しています。
冷蔵庫の幅、そして家具と天井の距離を測り、取り付けできるサイズを確認しましょう。
Q. 耐震ポールは家具や冷蔵庫のどこに取りつけるの︖
①家具用耐震ポールの取りつける場所
「家具の両端 & 壁に近い奥側に取りつける。」が正解です!
家具は構造上、端の部分に一番強度があるので、上面の両端につっぱって下さい。
端以外につっぱると十分な効果が得られないことや、家具に穴が開いてしまうことがあります。
また、耐震ポールは壁に近い奥側に取りつけてください。
家具は地震が起きた際、揺れによって重心が前に傾き転倒してしまいます。 そのため、手前に耐震ポールを取り付けてしまうと、重心ごと家具が倒れてくる力を受け止めきれません。
奥側に取り付けることで地震が起きた際も家具の重心移動を抑えて、前に転倒することを防止できます。
そして、家具の背面が壁にぴったりとついている状態が理想です。家具の近くに壁があることで本来の耐震効果を発揮します。壁から離れた場所でのご使用では十分な効果を得られませんのでご注意ください。
②冷蔵庫用耐震ポールの取りつける場所
天井側のパーツは「冷蔵庫の天面の両端 & 壁に近い奥側に取り付ける。」
床側のパーツは「冷蔵庫の調節脚に隙間なく当たる状態で、床に貼り付ける。」
天井側のパーツは、冷蔵庫の設置面がL型ベースになっています。
冷蔵庫の天面角に設置することで、弱い天面を避け十分な圧着力を発揮します。中央に設置をしないので、放熱の邪魔にもなりません。
また、こちらも家具用耐震ポールと同様に、壁から大きく離れて取り付けた状態では十分な効果が得られませんので、冷蔵庫の奥【壁際】に設置してするようにしてください。
冷蔵庫 床側のパーツは、粘着ゲルを貼って床に密着させるストッパーです。
冷蔵庫の足元には移動用のキャスターが付いていて、振動で動いてしまうことがあります。ストッパーを冷蔵庫の調節脚に隙間なく当たる状態で、床にしっかり貼りつけることで冷蔵庫の移動を防止します。冷蔵庫の調節脚が床に設置していることが前提となりますので、傷防止用のマットなどを敷かずに設置してください。
また、冷蔵庫の脚カバーがある場合は脚カバーを外してから、ストッパーを床に密着させ、脚カバーを付け直してください。
Q. 耐震ポールの設置できる条件は︖
①家具用耐震ポールの設置できる条件
家具用の耐震ポールは、天井、家具ともに圧着固定ができる十分な強度のある所を選んで設置してください。傾斜や凹凸のあるところには取り付けができません。
どうしても強度が足りない場合は、野縁(下地)にかかるよう天井と耐震ポールの間にあて板をして補強してください。
※ 参考イメージ
- あて板をする場合、耐震ポールのサイズは、あて板の厚みを引いた天井の高さでサイズを選んでください。
- あて板の厚みは15mm以上のものをご用意ください。板の厚みがうすいと、板が反ってしまい均一に力を分散させにくくなってしまいます。
- あて板のサイズは、家具と同じ大きさもしくは少し大きめの板をご用意ください。天井の野縁にかかり耐震ポールの設置ができる幅が必要です。
- 天井に傾斜や凹凸のあるところには取付できませんので、ご注意ください。
※ 耐震ポール(インテリアタイプ) の場合、あて板とキャップを必ずねじ止めしてご使用ください。
その場合は、以下の市販品をご用意ください。
・プラスドライバー
・ねじ(サイズ:φ3.5mm 長さ30mm)
ねじを強く締めすぎるとキャップが破損する恐れがあります。家具側もねじ固定するとより安定して取り付けができます。
※ 耐震ポール(通常タイプ) は、ねじ止めができない仕様となりますのでポールと天井の間に板を挟むだけとなります。
②冷蔵庫用耐震ポールの設置できる条件
こちらの冷蔵庫専用の耐震ポールは、60cmまたは65cmの幅に対応しています。
幅のサイズは調節ができませんので、必ず冷蔵庫の幅を確認して合ったサイズを選んでください。
天井と冷蔵庫の隙間の高さは、50~75cmまで対応しています。
冷蔵庫の天面にキャップを取り付けるので、設置する場所は幅8cm以上、奥行き22cm以上の平坦であることが条件となります。
天井、冷蔵庫ともに圧着固定ができる十分な強度があることを確認して設置してください。傾斜や凹凸のあるところには取り付けができません。
そして床側は、冷蔵庫の調節脚は必ず床に設置されている状態でご使用ください。もし底面にキャスターがある場合は、調節脚を床に付くまで下げてから設置しましょう。
冷蔵庫と床は、5mm以上の隙間が必要となります。
マット、カーペット、畳などの柔らかく凹凸のある床材ではご使用ができません。
Q. 家具用の耐震ポールでより耐震効果を高めるには︖
家具用耐震ポール(家具転倒防止ポール)と 耐震ストッパー(家具転倒防止マット) を併用すると、さらに家具の転倒防止効果が上がります。家具や家屋を傷つけない家具転倒対策の中では、もっとも高い耐震効果が得られます。
Q. 耐震ポールはどうやって取りつけるの︖
取り付け手順は商品ごとに異なりますが、ここでは 家具用耐震ポール(通常タイプ) の取り付け方法と、 冷蔵庫用耐震ポール の取り付け方法をお伝えします。
※ それ以外の商品は、最後に「取扱説明書」のリンクを貼っていますので、そちらを参考にしてください。
①家具用耐震ポール(通常タイプ)の取付方法
【手順1】上下のキャップをつける
上のキャップ(天井側)をパイプにはめる。
上のキャップは、あそびがあるためパイプとの間にゆるみがあっても正常な状態です。天井と圧着する際に、固定されるので問題ありません。
下のキャップ(家具側)は、カチッと手ごたえを感じるまでしっかりと押しこむ。
入らない時は下キャップを床に置き、パイプと上キャップの上から体重をかけて押さえてください。
【手順2】グリップの上端をスタート線に合わせる
グリップがズレていると正しくつっぱることができません。スタート線が合っているかどうか必ず確認してからご使用ください。
【手順3】家具の上でつっぱる
設置場所に置いて、以下の順番でつっぱっていきます。
①天井まで高さいっぱいにパイプを伸ばす
②パイプが下がらないよう気を付けながら、長さ固定ねじをパイプに貫通するように根元まで締める
※ 長さ固定ねじは先端がキリ状になっています。根元まで締めることで、パイプに穴が開く仕組みになっています。長さ固定ねじの締めつけが弱いと、正しい圧着力が得られない恐れがありますので、必ずしっかり締めてください!
③グリップを「つっぱり」の方向に回して、天井の状態を見ながらつっぱる
同様の手順で反対側のポールも取り付ければ設置完了です。 定期的に点検し、ゆるみがないことを確認してください。
また、再度ご使用になる場合、複数の穴がパイプに集中していると不具合が生じる恐れがあります。その際はパイプを回転して、違う場所に長さ固定ねじで穴を開けるようにしてください。
②冷蔵庫用耐震ポールの取付方法
【手順1】上フレームを組み立てる
まずは、天井側の上フレームから組み立てます。
組み立てには、プラスドライバーが必要となります。握り部が太いものをご用意いただくと、ねじを締めやすいのでおすすめです。
フレームパイプの穴と天井側の上キャップの穴を合わせて、付属のタッピンねじで8か所固定します。ねじが浮かないところまで、プラスドライバーでしっかりとねじ込んでください。
【手順2】上下のキャップと支柱をセットして全体を組み立てる
次に冷蔵庫側の下キャップを準備します。
❶下キャップを支柱セットの調節グリップがある方にはめ込みます。「カチッ」と手ごたえを感じるところまではめ込んでください。入りにくい場合は、少し力を入れて下キャップを押し込んでください。
❷上キャップは支柱セットの調節グリップと反対側にはめ込みます。底まではめ込んだらOKです。こちらの上キャップ側には、カチっという手ごたえはありませんが、問題ありません。
ここまでできたら、ポールが抜け落ちないように気を付けながら本体を回転させて、上下を入れ替えてください。
【手順3】冷蔵庫の上でつっぱる
冷蔵庫天面に下キャップを合わせて置き、以下の順番でつっぱっていきます。
①❶長さ固定ねじをゆるめる❷上フレームが天井に当たるまで伸ばす ②2か所の長さ固定ねじを、パイプに貫通するように根元まで締める
※ 長さ固定ねじは先端がキリ状になっています。根元まで締めることで、パイプに穴が開く仕組みになっています。長さ固定ねじの締めつけが弱いと、正しい圧着力が得られない恐れがありますので隙間が1mm未満になるよう、必ずしっかり締めてください! ③グリップを「つっぱり」の方向に回して、天井と冷蔵庫の状態を見ながらつっぱる
※ 左右の支柱の圧着力は均等になるようにグリップを回してください。
【手順4】床側のストッパーを貼る
最後に、床側のストッパーを取り付けていきます。
とても重要なパーツですので、忘れずに必ず設置してくださいね!
①粘着ゲルをストッパー凹面に、はみ出さないように貼る
②ストッパーを冷蔵庫の調整脚に隙間なく当てた状態で、床に貼り付ける
③床に密着するように、真上からストッパーを押す 注意:床や粘着ゲルに付着したホコリは取り除いてください。汚れを水で取り除いた場合は、よく乾かしてから使用してください。 粘着ゲルが伸びたり破損した場合、使用しないでください。
※ 他商品の取り付け方法は、各商品の「取扱説明書」をご確認ください。
また、こちらの動画でも耐震ポール(インテリアタイプ)の詳しい取り付け方をご紹介しています!
ショート版もありますので、ぜひご覧ください。
Q. 家具用の耐震ポールは電化製品に使っても大丈夫?
故障につながる恐れがありますので、家具用の耐震ポールを電化製品へご使用することはおやめください。
電子レンジや冷蔵庫など上面が熱くなる電化製品は、熱によって耐震ポールが劣化し易くなり十分な効果が得られません。
冷蔵庫には冷蔵庫用耐震ポールを!その他の電化製品については、専用の耐震グッズをご検討ください。
耐震ポールを正しく使って、家具や冷蔵庫の転倒を防ごう!
正しく使えばリスクを減らしてくれる耐震ポールですが、意外と間違って取り付けている方が多いのも事実です。
地震はいつ来るかわかりません。
耐震ポールは今すぐカンタンにできる地震対策のひとつです。
もう既に使っている方も、「いつかやろう」と思いながらなかなか出来ていない方も、この機会にご自宅の備えを見直してみませんか?
また、平安伸銅工業のオンラインショップでは今回紹介した耐震ポール等のアイテムをたくさんご用意しています。
突っ張り棒メーカーならではの、あらゆるサイズや色味、耐荷重のバリエーションが揃っていますので、自宅にない方・再購入したい方はぜひご覧ください!
突っ張り棒トップシェアメーカー「平安伸銅工業」が運営する公式YouTubeチャンネル。
主力商品である突っ張り棒や、LABRICO(ラブリコ)、DRAW A LINE(ドローアライン)など商品に関する情報をお届けします。