ライター&バイヤー ハブチン
30代男性。平安伸銅工業の中の人。整理収納用品を作っている会社で働いているのに、めんどくさいことや片付けは苦手。ADHDの傾向があって、ウォーリーみたいに忘れ物が多い。
我が家の七不思議、ハサミを使おうと思った時になくなる説。
玄関に段ボールや封筒が届いて、「よし、切ろう。」と思ったら……ない。
「いや、ここに置いてたよな?」ってつぶやきながら、家じゅうを徘徊。
どうでもいい時には目につくのに、いざって時に限って姿を消す。
うちだけハサミに足でもついてるんでしょうか。
しゃあない、と素手で開けようとするけど、あのテープが地味に強くて剝がれにくい。
力ずくで開けようとしたら、この前、段ボールの端面で手を切ってしまった。
こういう浅めの切り傷って地味に痛いねん。
「ハサミどこいってん…。」つぶやくのも何度目か。
ピシっと立つ、気持ちよさ
そんななか見つけたのがHMM Scissors(エイチエムエム シザーズ)というハサミ。
これがまた、使わない時ですら気持ちいいやつで。
というのも、台座にマグネットが仕込まれていて、適当に置いても「ピシッ」と自立する。
まるで、朝礼で先生に「起立!」って言われたときの生徒くらいの「ピシッ」。
正直、ハサミを使う用事がなくても、無駄に手にとって「ピシッ」と立つ気持ちよさを楽しんでしまっている自分がいる。
しかも、DRAW A LINE(ドローアライン)との相性がめちゃくちゃいい。
まるでDRAW A LINEというステージにHMM Scissorsが立ってるみたいな、そんなフィット感。
あなた、DRAW A LINEのパーツでしたっけ?って平安伸銅工業のスタッフでも思ってしまう。
道具の配置を変えるだけで、所作が美しくなる
玄関にDRAW A LINEを突っ張って、HMM Scissorsを立たせておく。以前は「よし、切ろう」と思ったら、逃げ隠れしていたハサミが、ピシッと自立して静かに出番を待っている。健気すぎる。
DRAW A LINEも場所を取らないから、玄関に置いていても邪魔にならない。
郵便物が届いていたら、HMM Scissorsを使って開封する。
そしてまたピシッといつもの場所に戻す。このピシッが気持ちいいから、また同じ場所に戻したくなる。
ちなみに段ボールを開封するときは、HMM Scissorsのペーパーナイフ部分を使うといい。
ペーパーナイフというのがポイントで、カッターと違って誤って手を切る心配がないのもいい。
僕がハサミの使い方を知らない原始人ではないことは補足しておきたい。
七不思議は、ただの自分のせいだった。
何度か「ピシッ」と戻していた時に、気づいた。
ーハサミに定位置があり、使ったら元の場所に戻している。
「モノに住所を決めること」整理収納のプロの方々にとってキホンのキで、ずっこける話かもしれないが、僕はこれが苦手だ。
堂々というが、靴下は脱ぎ捨てたら、床に散らばったままにしている人間だ。
ハサミは使った後、どこかへ適当に置いているだけなのに、うちだけハサミに足でもついてるのではないか、とハサミのせいにしている器の小さい人間だ。
残念ながら、そんな自分の性質はなかなか変えることはできない。
でも「スッ」と切って、「ピシッ」と立つHMM Scissorsと玄関に置くだけで、こんな自分でも「モノの住所」を守ってあげることができ、所作もなんだか美しくなった気がする。
たかがハサミ、されどハサミ。
同じようにハサミがなくなる方は、ぜひチェックしてみてください。