one fit cloth開発秘話 〜かさねシリーズ〜<br>光を遮るのではなく、「透け感」で内と外の境界線をなくす。

one fit cloth開発秘話 〜かさねシリーズ〜
光を遮るのではなく、「透け感」で内と外の境界線をなくす。

つみハコ開発秘話。
「固定の家具」はなるべく買わない。変化し続ける暮らしの受け皿を作りたかった。
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光を遮るのではなく、「透け感」で内と外の境界線をなくす。
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「かさね」は遮光カーテンのように光を完全に遮断するのではなく、ほどよく視線を遮りながら、光や風、空気感を取り入れることができます。
これにより、内と外の境界を曖昧にし、室内にいても外の自然を感じられる効果が生まれます。

私自身、暮らしの中で「光を遮る生地」を窓際に置くことにずっと抵抗があったんです。
一般的なカーテンは面積が大きく、生地や柄が部屋の印象に強く影響してしまいます。
その「生活感」や「閉塞感」が気になっていました。

私はもっと存在感を消した、視界の端に入っても邪魔にならず、むしろ心地よいと感じるような「軽さ」を求めていました。
日差しを遮り切るのではなく、部屋に落ちる影や光の揺らぎをそのまま楽しめる、そんな佇まいを目指したんです。

吉池 静枝氏 経歴
プロダクトデザイナー
家電・住宅設備などのプロダクト・CMFデザインを経て平安伸銅工業に入社。
「暮らすがえ」文化を広めるべく作家活動中。

 

【かさね】シリーズの着想:カーテンへの抵抗感から生まれた「軽やかさ」

──「かさね」シリーズの特徴を教えてください。

「かさね」は透け感のあるオーガンジー素材を使用しています。遮光カーテンのように光を完全に遮断するのではなく、ほどよく視線を遮りながら、光や風、空気感を取り入れることができます。これにより、内と外の境界を曖昧にし、室内にいても外の自然を感じられる効果が生まれます。

また、四隅すべてに縫製を施しているため、裏表が存在しません。部屋のどこから見ても美しく、90度回転させて横長に使うことも可能です。腰高の窓や家具の配置に合わせて、使う人の自由な発想で取り入れることができます。

──このシリーズはどのようにして生まれたのですか?

私自身、暮らしの中で「光を遮る生地」を窓際に置くことにずっと抵抗があったんです。一般的なカーテンは面積が大きく、生地や柄が部屋の印象に強く影響してしまいます。その「生活感」や「閉塞感」が気になっていました。

外から入る光を生かし、空気を感じながらも、眩しさだけを抑えられるものはないか。そう考えていた時に、ちょうどこのカーテンの企画が立ち上がりました。

──いわゆる「レースカーテン」とも少し違うのでしょうか。

そうですね。一般的なレースカーテンは、かすかな模様が主張しすぎてしまうことがあります。私はもっと存在感を消した、視界の端に入っても邪魔にならず、むしろ心地よいと感じるような「軽さ」を求めていました。日差しを遮り切るのではなく、部屋に落ちる影や光の揺らぎをそのまま楽しめる、そんな佇まいを目指したんです。

透け感がもたらす変化:内と外の境界をなくす

──透け感がもたらす「軽さ」は、どんなときに実感されますか?

「かさね」の生地は「風景を切り取ってきたような、濁りのない感じ」の透け感をイメージしました。そのため、窓際で使ったときは、外の光をそのまま取り込んでくれたり、異なる色を重ねると光が混ざり新しいニュアンスが生まれたりします。生地自体は色変化はしないけれども外の空気感を取り入れてくれるので、家の中と外の境界が曖昧になると感じています。

──カラーコンセプトが「空の色」になっているのはどうしてですか?

たしか、空そのものではなかったんですが「表情の変化があるもの」がいい。そう考えていた時に、夕方に子供を迎えに行きながら「この空の色をそのまま家の中に取り入れたい」と思ったんです。

「遮光」によって外と内と遮断するのではなく、この「透け感」のある生地を通して空の色を取り入れること。 そうすることで、外の気配が自然と内側へ入り込み、家の中と外の世界の境界線が溶けていくような感覚をつくれるのではないかと。

──そう思うようになったきっかけは?

10年ぶりに趣味の登山を再開したことが大きかったです。山では、朝日を見るためにスタンバイしたり、夕暮れまでに目的地に着くよう計画を立てたりと、空の表情の変化にとても敏感になります。

当時は、空の移ろいと自分の心理的な変化がリンクする瞬間が何度もありました。「この感覚を暮らしに持ち込めないか」と考え、写真を撮り溜めていました。そのくらい空が自分に身近だったからかもしれません。

暮らしの「試行錯誤」はつづく

──吉池さんの日々の暮らし、部屋づくりへのこだわりを教えてください。

自宅では家具を最低限にし、子供が動き回れるよう「固定しない」ことを意識しています。重心の低い家具が多いのも、圧迫感を出さないための選択です。

「お気に入りの場所」という特定のスポットがあるわけではなく、家族がそれぞれ好きなことをして、笑ったり遊んだりしている、その「家族の様子がパッと切り取られた瞬間」が、私にとっての理想の空間です。

──空間に余白があるからこそ生まれる瞬間があるんだと思います。その考えは「かさね」のデザインにも通じていますね。

私は、デザインによって使い方を限定したくないんです。使い手の発想次第で、作り手すら思ってもみなかったような使い方ができる。そんな「余白」を大切にしています。

「かさね」は表裏や上下の区別がなく、どう使っても機能するように作られています。使い方で悩まず、使い手のその時々の状況や気分に合わせて自分なりの心地よさを作っていくプロセスを楽しんでほしいです。

──どのような方に使ってほしいですか?

カーテン選びに迷っている方に届いてほしいです。特に「とりあえず」で機能性重視の遮光カーテンを選んでしまった方に届けたいです。今の暮らしを否定するのではなく、今のカーテンに重ねてみたり、間仕切りにしてみたり。自分なりのこだわりを形にするための、新しい選択肢になれたら嬉しいですね。

──吉池さんの試行錯誤する暮らしがそのまま反映されたようなカーテンのお話をありがとうございました。

 

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