ここでは、暮らしにまつわる悩みを解決したり、暮らしの変化を楽しんだりする、「誰か」のお話をお届けしています。
紹介されているアイテムは、当店で取り扱っていない場合もありますが、「こんな暮らし、いいかも。」とあなたの暮らしを変えるヒントになれば幸いです。
ライター&バイヤー ハブチン
30代男性。平安伸銅工業の中の人。整理収納用品を作っている会社で働いているのに、めんどくさいことや片付けは苦手。ADHDの傾向があって、ウォーリーみたいに忘れ物が多い。
殺風景で「監獄みたいですね」と言われる
関西への出張が多くなったので、大阪に1Rの部屋を借りた。賃貸物件によくある白い壁紙は面白くないなと思ったので、コンクリートブロック塀の部屋を選んだ。
「コンクリートの感じが無機質な感じでいいやん。」と個人的には満足だったのだが、ある日、その部屋でオンライン打ち合わせをしていたら、メンバーから思いもよらぬ感想が飛んできた。
「監獄みたいな部屋ですね。」
狭い部屋にコンクリートブロック塀。確かに言われてみたら監獄っぽい。
というかもはや監獄にしか見えなくなってきた。言葉って怖い。
シンプルでミニマムな暮らしが理想だったはず。でも見方を変えると、殺風景で味気ないかもしれない。
「監獄」という言葉が、部屋に入るたび気になって、脱獄したいと思った。
カーテンの代わりにアートを飾る。
すこしでも雰囲気を変えようと、ちょこちょことポスターや小さな絵を飾ってみる。
少しはいい感じになった。ただ部屋全体の印象を変えるまでには物足りない。
もっと大きくこの部屋の印象を変えることはできないだろうか。
そんなとき、ふと出会ったのが Slowdown Studio のブランケットだ。世界中のアーティストたちが手がけた色鮮やかな絵柄が、コットン100%のラグに落とし込まれている。ブランケットだから、ベッドにかけてもいいし、ソファにふんわり置いてもいい。汚れたら洗えるし、畳んでしまえる。
めっちゃええやん…。
このブランケットを、カーテンの代わりに窓に飾ってみたらどうなるだろう??
早速、ブランケットを購入し、カーテンクリップでブランケットを挟んで、カーテンフックにかけて吊るしてみた
すると――部屋の雰囲気が一変した。
出張から帰って部屋のドアを開けると、まずブランケットがドーン!と目に入ってくる。無機質な空間に突如と現れたアート作品。ここはアトリエですか?なんて思う。
無機質な空間が、逆にアートブランケットを引き立ててくれる。ベットやソファにかけてもいいが、カーテンにすることで部屋の主役になってくれる。
僕は仕事柄出張が多いのでいろんなホテルに宿泊する。でもホテルは、汎用的で一時的に滞在するための空間でしかない。ホテルにいると、なんだか少しさみしい気持ちになる。
でもこの部屋に戻ると、まるで自分だけのホテルに帰ってきたみたいな気分になる。
朝起きて陽があたるとまた違う印象が生まれる。ブランケットには遮光性もあるから夜もぐっすり眠れる。
季節や気分に合わせていろんなブランケットを飾って、楽しんでみたら、どんな暮らしになるだろう?なんて妄想も膨らむ。
何でもなかった空間が、急に「私らしい」居場所になった気がした。
ブランケットは決して安くはないけれど、大きなアート作品は保管が大変だし、壁紙を貼り替える手間を考えたら、ブランケットという選択肢はアリではないかと思うが、どうだろうか。
制約の中から、表現が生まれる。
後日、また同じメンバーとオンラインでミーティングをしていたら、今度はこう言われた。
「オシャレな監獄になりましたね」
やっぱり監獄は監獄なんかい。
ただ、世の中には「プリズンアート」というジャンルのアートがある。
監獄という自由を制限された空間だからこそ、人は内面と向き合い、生まれる表現がある。
もっと身近な例えで言うとタップダンスもそう。アメリカ南部で、奴隷たちが太鼓の使用を禁じられ、代わりに足でリズムを刻んだこと起源とされている。
「なんでもしていいよ」と言われるより、「これしかできない」と言われたときの方が、アイデアって湧いてくることはないだろうか。
引越し(脱獄)や家を建てることなんて中々できない。賃貸という制限された箱の中でも、工夫と遊び心で、私らしい空間をつくれるのだ。
案外それが、一番クリエイティブなのかもしれない。知らんけど。
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