ここでは、暮らしにまつわる悩みを解決したり、暮らしの変化を楽しんだりする、「誰か」のお話をお届けしています。
紹介されているアイテムは、当店で取り扱っていない場合もありますが、「こんな暮らし、いいかも。」とあなたの暮らしを変えるヒントになれば幸いです。
ライター&バイヤー ハブチン
30代男性。平安伸銅工業の中の人。整理収納用品を作っている会社で働いているのに、めんどくさいことや片付けは苦手。ADHDの傾向があって、ウォーリーみたいに忘れ物が多い。
「好きに書いていいよ」が、いちばん難しい
朝4時に起きて、文章を書いている。
きっかけは、ちょっと不思議な会社での役割の変化だった。
「ビジネスにすることはこっちでやるから、あなたは作家として、自分がいいと思うことを自由に表現してほしい」と。
え、そんな仕事ある?って思った。
めちゃくちゃありがたいことだし、信頼してくれてるんだなとも思った。
「自由に表現する」って、いい言葉だ。
でもね——やってみると、これがめちゃくちゃ難しい。
好きなことって、何を書いたらいいんだろう
「好きなことなら、すらすら書けるでしょう?」
そう思うやん。自分でも、そう思ってた。
でも、いざ書こうとすると手が止まる。
会社の目標とか、届けたい相手とか、
そういう“お題”があった方が、むしろ楽なのかもしれない。
「こんなこと書いても意味あるかな?」
「誰かに変に思われないかな」
いつの間にか、周りの目ばっかり気にしてる自分がいた。
わからなくなって、作家の土門蘭さんに会いに行った。
大山崎にあるSUNAYAという場所で、お話を聞く機会があって。
土門さんは、自分の子どものころ「好きだったもの」を書斎に飾っているそう。
サンリオやセーラームーン。
それを聞いて、ちょっと意外で、なんだかかわいいなと思った。
それで僕も、「自分が好きだったものって何だったっけ」と考えてみた。
そしたら、ふっと浮かんできた風景があった。
たどり着いたのは、おばあちゃんちの昼寝
それは、子どものころ、おばあちゃんの家で昼寝していた記憶。
横は田んぼで、カエルの声が聞こえて、窓からは風がそよそよ。
何時間でも、気持ちよく眠っていられた。
親がちょっと厳しかったから、おばあちゃんの家は“ほっとできる場所”だった。
いま思えば、あの時間が、自分にとっての原風景だったのかもしれない。
その風景を、ちょっとだけ再現してみたくなって、
だから、窓際に堀田カーペットのウールタイルを敷いた。
ゆっくり寝転がるためだけの、ちょっとしたスペース。
そこにフィットするビーズクッションと、タオルケットを持ってきて、朝から動き回った昼下がりには、ふっと横になる。
15分とか、20分とか。
ほんの少し目を閉じているだけで、頭の中がすーっと静かになる。
朝4時に起きているから、気持ちよく寝れる。
さっきまでガチャガチャしていた思考の引き出しが、そっと閉まっていく感じ。
ジンジンしてボーッとしていた脳が、ようやく呼吸を始める。
「これってどうなんだろう?」とか「もっとこうすべきかな?」とか、
気にしすぎていたことが、起きると「まあいっか」と、ほどけていく。
ただ15分のつもりが、気づけば2時間くらい寝ていることもある。
家の中に、自分だけの居場所をつくる
窓から風が入ってきて、カーペットの手ざわりがやさしくて。
あたたかくも涼しくもあるタオルケットにくるまれて、
なにもしない時間を、堂々と過ごす。
飾らなくていい、がんばらなくていい。
そんな場所がひとつあるだけで、ちょっと安心できるんだなと思った。
その感覚は、あのときの昼寝に近い。
気づいたら眠っていた、おばあちゃんの家。
あの頃の感覚を、大人になった今、もう一度つくってあげてもいいのかもしれない。
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