余白のない我が家に、猫の酸素室が来た話

余白のない我が家に、猫の酸素室が来た話

ここでは、暮らしにまつわる悩みを解決したり、暮らしの変化を楽しんだりする、「誰か」のお話をお届けしています。

「こんな暮らし、いいかも。」とあなたの暮らしを変えるヒントになれば幸いです。

ライター ジャージャー仮麺
平安伸銅工業のスタッフ。小学生女子2人と夫、色んな生物と暮らすマム。動物好きが高じて大学でもそんな勉強してた。命の多さ故に度々直面する暮らしの曲がり角で「既製品ないし、作るか」とドリフトかますDIYer。

一時的だと思いたくない。けれど…存在感を放つソレ。

我が家には猫が4匹いる(ちなみにまだ他にも動物がいる、そのお話はまた今度)。

わらび、うなぎ、おこげ、しらす…一匹だけのはずが、縁あってお迎えし、家族で一番似合うネーミング大喜利大会をひらき名付けられた猫たち。

そんな猫のうち、おこげが心筋症になり緊急入院。 退院後に自宅に酸素室を置くことになった。

この酸素室、ようは機械を繋げたアクリルのゲージなのだが…これがまあ、無機質な上にデカい。

しかも他の猫たちが「ナニコレー!」「すべての場所は私のモノー!」と上に飛び乗るのでアクリル板がたわみまくる。 やむを得ず木枠で補強したものだから、リビングでさらに存在感を放っている。

家族4人に猫4匹、すでにモノだらけのこの空間に酸素室と医療グッズまで加わり、カオスは加速。エントロピーが増大していった。
今まで別の場所に放り投げられていたはずの子どものランドセルまで、このカオスが呼び水となってリビングに進出してくる始末。

かといって他の部屋に置いてしまうと、生活の中でおこげと触れ合う時間は少なくなる。


実際、過去に一室を「ペット部屋」にして動物のゲージやトイレを全部集約したこともあった。
管理はしやすくなったが、その部屋に行かないと動物たちと触れ合うことができなくなってしまい…。

私は動物たちを「管理」したいんじゃない、一緒に暮らしたいんじゃあ!!

と思いなおし、リビングに戻した経緯があるのだ。

酸素室を置くレベルの病状だと、正直、先は永くないという考えもチラつく。
一時的に置くだけなら、我慢すればいい。

でも、私は「一時的」に逆らいたかった。常設一択だ!
だって、これからもずっと一緒にいるんだから。

そうとなれば、私がやるしかない…!!

酸素室常設化のためのDIY、のはずが、事態は思いもよらぬ方向へ。

これまでもペットや子どものためにあれやこれやとDIY(という名の試行錯誤)をしてきた私。

限られた居住空間で、子どもの成長とペットのあれこれに対応しようと思ったら、既製品では追い付かず、何かしら工夫をせざるを得ないのが常。(もちろん失敗も度々している。)

今回のテーマは、「暮らしに溶け込む酸素室」。

浮かせる家具ブラケットで棚を作り、酸素室の上の空間を医療グッズ収納や本のディスプレイにして、そこに酸素室があるのが当たり前くらいにしようと考えた。

週末の度にコツコツと構想を練り、サイズを測り、木材を運び、塗装して…

・・・と作業していたら、まさかのまさか、完成前におこげが超回復。 獣医さんもびっくり、酸素室はお役御免となった。

う、嬉しいーーーー!!!いい意味で「一時的」だったじゃーーーーーーん!!!

・・・え、いやどうするのこの棚。

少し空いたリビングに取り付けられた、完成間近の棚。

まあ、治るのはいいことだしね。すっきりした分、棚板を増やして収納にでもするか…と眺めていたら、他の猫たちがぴょんぴょんと棚板の上に乗り出した。

…もしかしてこれ、キャットタワーになるのでは?

過去にもDIYでキャットタワーを作ってみたものの、高さと奥行き調節がうまくできず猫が降ってくるタワーになり痛い目を見た私。

今回作った棚は、浮かせる家具ブラケットで取り付けた支柱に、シェルフレールをつけているから棚板の高さは自由に調節ができる。

彼ら彼女らの移動の様子を眺め、棚板の数や位置を調節し、「自己責任キャットタワー※1」を完成させた。

※1.シェルフレールは、キャットタワーとしての使用を想定しておらず、動荷重の検証を行っておりません。また棚板はつけ外しを想定しているため猫の飛び乗り方によっては外れることがあります。そのため、猫の飛び乗る様子をしっかりと観察して、棚板がブレにくい位置に調整するなど、最大限の注意が必要となります。設置は自己責任となりますのでご了承ください。

ペットと家族、その変化に終わりはない。

思いもよらぬキャットタワーの誕生。
その結果、猫たちがちょこんと棚の上に座り、リビングでくつろぐように。

そんな姿を観察しながら、私もまた家族と一緒に同じ空間でくつろぐことができるようになった。

思いもよらぬ形で、理想にしていたペットと共存する暮らしが実現するなんて。

まあ、猫が乗る時に滑らないようにとキャットタワーにつけた絨毯シートは無残に引き剝がされ、そのくせ乗りづらいと不満そうな顔をされ、気づいたら壁が傷だらけになっていることもあるけれど…。

そんな元気な姿を「仕方ないなあ」と思いながらお世話するのも、なんだかんだ幸せだと思う。

酸素室が突然必要になり、また突然不要になったように、猫も自分の子どもたちも成長していく中で常に変化があるし、私も夫も含めて、思いがけない転機が突然訪れることもある。

だから、私たち家族の暮らし方に「絶対」というゴールは無い。

けれど、家族みんなのため、その時々の最適解を見つけるために、失敗しつつも「やれやれ…。」と、家の中で試行錯誤を重ねていくことが、結局のところ「私らしい暮らし」なのかもしれない。

さあ、今度は自分のためにヌックでも作るか…!

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