危ないから遠ざけるではなく、大切だと伝える。子供と植物があたり前に暮らす家。

危ないから遠ざけるではなく、大切だと伝える。子供と植物があたり前に暮らす家。

緑と暮らす人には、その人だけの心地よさがある。植物とともにある日々から、暮らしのかたちを紐解くシリーズ。
第2回は、Voicyパーソナリティの長谷部さんにお話を伺いました。

長谷部祐樹さん
音声プラットフォーム「Voicy」でPR・ブランディングを担当しながら、「観葉植物を楽しむグリーンラジオ」のパーソナリティとしても発信中。4歳と生後半年のお子さんと暮らしながら、植物のある部屋づくりを続けている。
・Voicy:https://voicy.jp/channel/2075
・Instagram:https://www.instagram.com/greenradio_fm

「子供が生まれたら無理無理、絶対に全部捨てないと危ないよ。食べちゃうし、触っちゃうから、床に置いているのなんて絶対にダメ」

子育て中の親しい先輩が、最初のお子さんが生まれる頃の長谷部さんの自宅を訪れたとき、リビングに並ぶ植物たちを見てそう口にしました。

それから数年。長谷部さんご夫婦のお宅には、4歳になる長男と、生後半年を過ぎた次男という、愛らしい盛りの二人の男の子が暮らしています。

そしてリビングには、減るどころか、むしろ新しく増えた瑞々しい植物たちが、変わらず健やかに、美しく空間を彩っています。

先輩の忠告は、間違っていたのでしょうか。それとも、何か別の答えを見つけたのでしょうか。

「危ないから、捨てて」――先輩の忠告

音声プラットフォーム VoicyのPR・ブランディング責任者を務めながら、観葉植物の魅力を発信するPodcast「観葉植物を楽しむグリーンラジオ」のパーソナリティとしても活動している長谷部さん。

長男が生まれる頃、子育ての先輩がリビングの植物を見てかけた言葉は、「もう無理無理無理、全部捨てて」というものでした。土をひっくり返して遊んでしまわないか、触ってケガをしないか――――子供の安全を第一に考える親としての、とても現実的で温かい忠告でした。

しかし、植物を暮らしの彩りとして楽しむ長谷部さんにとって、それは寂しい「諦めの宣告」のようにも響きました。

「遠ざける」のではなく、「伝える」を選んだ

いざ子供との暮らしが始まると、長谷部さんはある不思議な現象に気がつきます。

「急に植物をリビングにドンと置くと、子供にとっては物珍しいおもちゃのようになってしまい、土をいじったり引っ張ったりして遊んでしまうかもしれません。でも、生まれたときから『そこにあるのが当たり前』の風景に馴染んでいると、子供たちは植物を過剰に面白がったり、いたずらの対象にしたりしなかったんです」

長男にとって、リビングに綺麗な葉や土があることは、公園の砂場とは明確に異なる「お家の一部」であり、大切に見守るべき家族の姿でした。

「これは生きていて、お父さんやお母さんがとても大切にしているものなんだよ」

幼い頃からその背中を見せて、言葉を交わしてきたこと。それが、植物を「危険だから遠ざけるもの」にしなかった理由でした。

「伝え続ける」には、安全である必要があった

とはいえ、哲学だけでは暮らせない植物もあります。長谷部さんが迎えたかった植物の中には、コーデックス(塊根植物)のような、トゲトゲとした鋭い棘を持つ品種がありました。しかし、それは小さな子供が触れば、当然ケガをしてしまいます。

「大切なものだから、遠ざけずに日常の風景として存在させ続けたい。でも、棘のあるものだけは、絶対に子供の手が届かない場所に置く必要がありました」

そこで活用したのが、DRAW A LINEの「高さを自由に固定できる」という特性でした。子供の手が届かない高い位置に、トゲのある植物をしっかりと固定する。床に置かないことで、鉢を倒してしまう心配もありません。

「見えなくする」のではなく、「見える場所に、安全に置き続ける」。それが、長谷部さんが選んだ楽しみ方でした。

一緒に植物を選ぶ日が来た

「これは生きていて、大切にしているものなんだよ」――その言葉を伝え続けてきた結果は、長谷部さんも予想していなかった形で表れました。

今、4歳になった長男は、植物屋さんに行くと「お父さん、これがいいんじゃない?」と、一緒に新しいグリーンを選ぶパートナーになっています。

「まあ、ごっこ遊びみたいなものなので、ただ選んでるだけかもしれないですけど、それでも嬉しいですね。愛着を持ってくれたら嬉しいし」

そう言って照れくさそうに目を細める長谷部さん。けれどその表情には、温かい喜びがにじんでいます。

たとえそれが、本当にただの「ごっこ遊び」だとしても、自分が大切にしているものに、小さな息子が同じように関心を持ち、並んで眺めている。その瞬間が、とにかく嬉しいと言います。

「まだ小さいから、ただ選んでいるだけかもしれません。でも、そうやって、暮らしの中で少しずつ、彼なりに植物に愛着を持ってくれたら、それは本当に嬉しいなと思います」

危険なものを遠ざける工夫の話から始まったはずのこの家族の日常は、いつのまにか、家族で一緒に育てる居場所の話に変わっていました。

「実は、大丈夫でしたよ」

「もしあのとき、先輩に『危ないから無理だよ』と言われて植物を全部手放していたら、きっともう一度部屋にグリーンを戻すことにはすごく勇気が要ったと思うし、こんなに穏やかな暮らしにはなっていなかったはずです」

大好きなもの、ときめくインテリアを、子供が生まれたからという理由で諦めなくてもいい。お互いの「好き」や安全を思いやりながら、同じリビングで植物というままならない生命と並んで成長していく、優しくて誇らしい家族の時間そのものです。

「今度は、あの時心配してくれた先輩に笑顔でこう伝えたいです。『あの時は心配してくれましたけど、工夫したら大丈夫でしたよ。なんなら、前よりちょっと増やしちゃったくらいです』ってね笑」

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